【応募まだ1名、急募!! 新大学1年生に4年で288万円支給】


けさは、JR逗子駅山の根側階段下での配布でしたが、この時期にしては珍しく富士山くっきりでした。


さて、タイトルの件、5月10日(火)締切り。逗子市民定員5名のところ、4月22日(金)現在で、応募者はまだ1名しかありません。


詳しくはhttps://www.city.zushi.kanagawa.jp/syokan/kyouikusoumu/zaidan/

をご覧ください。

ポイントは、①対象者は4月から大学1年生、②所得制限(概ね年収530万円以下世帯)、③一般大学の場合は、高校の内申が平均3.8以上(スーパーグローバル大学の場合は内申点の要件はなし)などです。

ニュースになったのでご存知の方も多いかと思いますが、逗子出身で米国在住の篤志家の方が、フルブライト奨学金で海外に出て成功を収めた経験から、逗子市に10億円を寄付されて出来た「給付型の奨学金」になります。

担当者によれば、市が立ち上げた財団(事務局は市の教育委)で10億円を管理。


財団が設けた「資産管理規則」に基づき、投資信託等を活用して、年利約1.5%(年間1500万円)の運用益を見込んで、毎年5名。総勢20名の大学生に4年間で288万円の給付型奨学金を提供しようとする内容になります。

市役所の職員が、10億円の資金を、投資信託等を活用して運用益を出す算段をするのは珍しいケースです。

寄付をしていただいた篤志家の方が資産運用の造詣が深いとのことで、当面は財団の特別顧問として指南をいただくということです。

今回は財団発足間もなく、「走りながら考える」という手法で立ち上げた奨学金ということで、今後、柔軟に改善検討してバージョン・アップさせていく方針とのこと。

そこで以下は、この仕組みを応援する立場から、逗子市の担当者には課題や改善ポイントをいくつか指摘させていただきました。


篤志家の寄付の趣旨は、「貧しくても大学に進んで、社会で超躍できる人材の育成」だと思います。

このため

①経済的な事情で進学をあきらめるひとの救済ならば、入学金や授業料をすでに収めた新1年生ではなく、入学前に、大学合格したけど、資金を調達できるか否か算段している段階で奨学金の支給を決めてあげたほうが、給付型奨学金の趣旨が活かせるのではないか。


これは、石垣市公営塾での高校生の指導から、経済的な問題で進学か、就職か瀬戸際の学生にとっては、学費の見通しを立てなきゃいけない段階で決めてあげた方が効果的だからです。


②スーパーグローバル大学(一覧はhttps://www.city.zushi.kanagawa.jp/global-image/units/243026/1-20220209180356.pdf

は学生のレベルが担保されているから、内申点の要件が不要になっている、一方で、一般大学への進学の場合、内申点平均3.8が対象要件となっている。


しかし、スーパーグローバル大学から外れている大学(例えば、地方国立大学医学部、一橋大学、横浜国立大学、横浜市立大学、青山学院大学、中央大学、同志社大学など)でも、難易度の高い大学がある。

しかも、高校の内申点と実際の学力は、特に、私立大学の場合は受験科目が限定されているため、例えば、早慶でも高校の内申点が3.8に足らない人は普通に存在する。さらに、尖った人材ならば、なおさらにその傾向はあるのではないか。


つまり、スーパーグローバル大学同様、一般大学も内申点の要件は要らないのではないか(そもそもスーパーグローバル大学枠と一般大学枠を設けて区別する必要はあるのだろうか)。

③奨学金の4年間の継続要件として、GPA3.0が存在するが、これも②と同様、大学の成績と、社会で活躍できるスキルの研鑽は、日本の大学の場合は必ずしも比例しないため、このGPA要件を設けることは本当に必要あるのか、再検証していく必要があるものと考える。

④今は、ハードルが高いからなのか、まだ、応募者数が集まっていない。

しかし、今後、応募者が多数集まってきた段階では、選考がいかに厳正に行われ、結果として、社会でどのように活躍したかの成果が問われることになる。


寄付金は篤志家によるものだが、今後の事業の継続には市が関与する以上、人件費は逗子市民の税金で賄われているからだ(ちなみに、財団の理事は商工会長含む3名理事の報酬は無償)。


だから、現行の書類選考(A4 2枚の原稿用紙「【テーマ】奨学金を希望する理由(大学で何を勉強したいか、卒業後はどのような分野で活躍したいかなど、将来のビジョンを具体的に記載してください。)だけで、本当に人材の見極めが可能なのか。


面接は必要だと思うし、逗子市公営塾を立ち上げて、学生たちの活動状況を中長期的にみながら奨学生の選考、支援につなげてゆくことも有効ではないかと考える。

以上、①から④の改善提案をしたほか、現行の仕組みでは「海外の大学NG」、「9月入学はNG」となっていることも、本当にそれでよいのか確認したところです。


いずれにしても、せっかくの篤志家の方からの10億円なので、初回より多数の応募者から、適切に支援者が選ばれてゆくこと。

そして、制度が適宜、ブラッシュアップされて、「生まれた家庭や偏差値に関係なく、自らのキャリア選択の幅を広げてゆける社会」の構築に本制度が寄与されることを心から願います。


下2枚の写真は、2018年から2019年にかけて、沖縄県・石垣市八重山高校などの生徒に、キャリア教育や進路指導をしていたときのものです。