【民主主義の機能不全を起こさないために 選挙のルールを変えよう】



問題があるとされる宗教団体への依存体質がクローズアップされているが、なぜ、安易にたよってしまうのか。


その原因のひとつには、日本の選挙制度は、組織や団体の支援があるほうが、選挙を円滑に進めやすい仕組みになっていることが考えられる。


もっといえば、とにかく、人海戦術に頼らないとやりにくい作業が満載なのだ。


前近代的な選挙制度を放置しているから、日本の民主主義が機能不全を起こす。


例えば、選挙期間中に有権者に公費負担で発送できる、「公選ハガキ」がある。


逗子の市長選挙でいえば、8000枚(504,000円相当の公費負担)を出すことができる。


ちなみに、2017年横浜市長選挙のときは35000枚(2,205,000円相当の公費負担)。


この横浜市長選挙では、作業の投資対効果を考えて、公選ハガキは活用しなかった。


逗子の市長選挙は、たった8000枚でも、まず名簿の作成方法から面倒である。


いまどき個人情報保護法の観点から、何かの名簿を流用することは許されない。


このため、選挙管理委員会にある「選挙人名簿」を閲覧して、手書きでノートに8000世帯分を転写する。


それを自宅に持ち帰ってから、エクセルに入力してゆく。


朝から晩まで、この作業に専念してやっても一日1000世帯分が限界。


選挙期間中に、郵便局から公選ハガキが8000枚分支給されるが、それを選挙本番に受け取ってそこから印刷していては発送が遅くなる。


このため、組織の支援をうけないでこの種の作業を済ませようと思ったら、何か月も前から、名簿作り、入力、ハガキへのプリントアウトを完了しておく。


選挙本番にはすでに完成させた公選ハガキを郵便局に持ってゆくだけにしておく必要がある。


とにかく、日本の選挙制度は前近代的で現行の公職選挙法を変えるために、国会議員時代には以下の6本の提言書を総務大臣に提出した。


(1)公営掲示場以外へのポスター掲示の禁止を求める提言

http://nagashimakazuyoshi.seesaa.net/article/173195059.html


(2)公営掲示場へのポスターの掲示手法の改善を求める提言

http://nagashimakazuyoshi.seesaa.net/article/173335993.html


(3)法定ビラへの認証(証紙)貼りの廃止及び改善を求める提言

http://nagashimakazuyoshi.seesaa.net/article/173469804.html


(4)選挙時のインターネットの解禁と共に、街宣車及び船舶の使用の禁止を求める提言

http://nagashimakazuyoshi.seesaa.net/article/173651434.html


(5)政治家の親族の冠婚葬祭以外、慶弔費の支出を禁止すると共に罰則を設けることの提言書

http://nagashimakazuyoshi.seesaa.net/article/173741060.html


(6)公職選挙法に関して、有権者の知る権利を推進する提言

http://nagashimakazuyoshi.seesaa.net/article/174253322.html


自分が現職の国会議員のうちにと、これだけ、いろいろと提言したが、この10年間で変わったのは、地方選挙で法定ビラが認められるようになったことと、選挙期間中の動画配信だけ。


相変わらず、前近代的で非生産的な作業を求められる。


公選ハガキの名簿作成のため、逗子市の選挙管理委員会で「選挙人名簿」を閲覧して、直接、パソコンに入力してはならないというルールは法律ではなく、市の要綱で決まっているということだ(自治体によってはパソコンへの直接入力は認められている)。


いちいちノートに8000世帯分の名簿を転写し、それを自宅に持ち帰ってからパソコンに入力させる意味がどこにあるのだろうか。


このため、今更ながら、要綱の改正検討を担当職員に要請した(7月29日)が、その目的は、非生産的な作業を廃して、人海戦術に頼らずとも立候補可能な選挙制度の確立のためである。


地味なことのように思えるが、こうしたひとつひとつの積み重ねで、日本の民主主義がゆがめられる余地を減らしてゆくしかない。


このように旧態依然の古い選挙制度を変えない限りは、特定の団体に支援をお願いする政治家は今後も後をたたないだろう。


抜本的に制度の問題を改善することは、回り道に思えて、しがらみをつくらない政治家を誕生させるために必要不可欠なことだ。