毎日約182万円も逗子市民の税金が余計に消えている件。

 

私が平成10年に逗子市長に就任した当時、逗子市は全国の同規模の自治体の中で、人件費比率30%を超え、全国ワースト2位でした。つまり、税金の3割が人件費で消える状況だったのです。このため、私は平成14年から正規職員半減化構想を打ち出し実行してきました。


 ところがその後、正規職員半減化構想は放棄され、平成20年からはそれまで隔年だった正規職員採用も毎年採用に方針転換されてしまいました。その結果、逗子市の人件費比率は24.8%を超え、ついに全国815市区中ワースト1位になってしまったのです(R1/総務省)。


 正規職員半減化の放棄により、この15年間で約100億円の損失となりました。私が市長時代に手掛けた、図書館・文化ホール・温水プールを整備し逗子小を建替えた「文化教育ゾーン事業」が約65億円でしたが、例えるならこうした事業が、あと1個半もできたことになります。



 こうした自治体経営の失敗はデータでも裏付けられています。逗子市の1人あたりの公共事業費4,698円となり、815市区中全国ワースト1位なのです(R1/総務省)。


 つまり、これは市民の教育、福祉、まちづくりに大胆な投資ができなかったことを意味します。逗子市の納税義務者1人あたりの所得436.4万円は、815市区中全国22位(R2/総務省) で、高額納税者が比較的多いまちです。ところが、逗子市民は、納めている税金に見合ったサービスを十分に受けられていないことになります。 


 逗子市は平成16年には効率化・活性化度ランキングで全国1位になった自治体です。もう1度、逗子市を市民の税金を日本一上手に使うまちにリセットしたいのです。


 そのためにまず、正規職員半減化構想を再開させること。


 半減化といっても、現在の正規職員439名を半分にする必要はありません。


 元の計画通り、あと134名減らして、定数を305名にするのです。同時に、現在354名となっている非常勤職員の数を284名増員し638名にします。これに向こう15年かけて取り組むことで、約100億円もの財源を生み出すことができます。


 「市のサービスの質が落ちるのでは?」「ストーカー殺人事件のようなミスが起きないか?」と心配する声も予想されますが、そうではありません。そもそも仕事のやり方を変えるのです。行政サービスのDX(デジタル化で省力化し業務効率を上げること)で、人為的エラーも無くなります。官民連携で民間の資金と知恵を取り入れ透明性をもって管理することで、むしろ市の生産性を上げてゆきます。


 特に、全国ではシルバー人材センターが一般的な中、逗子市は「パプリックサービス」という株式会社を立ち上げてシニアへの仕事を紹介してきました。この会社の改革を断行することで、シニアのみならず、若者や子育てなどでキャリア中断した女性などに幅広く活躍の場を用意し、市内に雇用を創出してゆきます。


 逗子市の弱点は日本一長い通勤時間です(平均62.4分。815市区中全国ワースト1位。H30/総務省)。市内への雇用創出は、通勤時間の短縮やシニアの医療費の抑制につながり、多方面への波及効果も期待できます。


 逗子市の将来人口推計では、2040年には市の人口が約1万人減るという試算となっています。人口が減ってゆくのに、正規職員の数がそのままでよいわけがありません。また、IT先進国である北欧のように、オンライン上で市民サービスの手続きが完結するようになると、市役所の職員の配置が大きく変わります。北欧では市役所の窓口に職員はほとんどいません。かわりに、教育や介護などの福祉の現場に職員を手厚く配置しているのです。


 私は、北欧の市役所の姿が日本の市役所のスタンダードになる時代が、もうそこまで来ていると見ています。逆に、そのような改革を進めてゆかないと、約4.7万人に人口減少見込みの逗子市で市役所機能や職員の給与水準も維持できなくなります。改革は、結果として市職員の待遇を守ることにもつながることを市職員には気が付いてほしいのです。


 私は、市の生産性を向上させるための手段の1つとして、自治体として初となる“GREAT PLACETO WORK”(働きがい認定企業)にチャレンジすべきだと考えます。こうした外部評価も活用して、市役所が働きがいのある場所に変わること。それはきっと、「住みがいのあるまち」につながるはずだからです。