【ここを変えないと日本が世界から取り残される】
- Kazuyoshi Nagashima
- 9月26日
- 読了時間: 4分
更新日:9月30日

まず、世襲の禁止。
デンマークを取材したとき、国会議員の子どもは親の選挙区から出馬を禁止されているということでした。
理由は、能力のない人材が国会議員になるのを防ぐためだというのです。
日本では世襲は認められており、相続税を1円も払わずに政治資金を親から子へ継承できてしまいます。
地盤、看板だけでなく、お金までも圧倒的に有利な状況で選挙を戦えるため、新規参入の障壁が高いです。
だから、誰もが政治に参入できて、新陳代謝が図られるようにするために、わが国でも親と同じ選挙区からの出馬は厳禁にすべきです。
次に、議院内閣制を廃止して、国のリーダーを国民が直接選ぶことができるようにすることです。
今の日本のリーダーを選ぶ方式では、国会議員か、全国民から見たらごく一部の党員が選ぶ方法のため、多くの国民が蚊帳の外。
しかも、政党のリーダーを選ぶ選挙は、公職選挙法の対象外といいます。
買収しようがステマをやろうがなんでもあり。
民意からは益々かけ離れ、誰が自分に美味しいポストを与えてくれそうか、ありつけそうか。
『みこしは軽くてパーがいい』と元自民党幹事長が言いましたが、永田町のボスたちがポストの差配について、自分たちがグリップを握って、あやつり人形になりそうな人材を祭り上げようとします。
これは政治の世界だけでなく、大企業病に陥った会社では、能力よりも、ボスのいうことを聞きそうな次のリーダーが選ばれがち。
民間企業ならば無能なリーダーの下、会社が倒産しても自己責任ですが、自分たちの税金の使い道を決め、災害や有事の際には国民を守ってくれるはずの政治のリーダーが無能だと本当に困ります。
とはいえ、仮に国のリーダーを国民が直接選ぶことをができるようになったとしても、議院内閣制のままでは、リーダーと国会がねじれて予算や法案が全く成立しなくなるリスクがあります。
そもそも、今の国会でも、地方議会でも、行政側と議会側が対峙して長い時間、質疑の時間を設けているのは非生産的です。
基本、与党は行政の提灯持ちの質疑で、野党は追及型の質疑。
(一部良識のある議員が提案型の質疑をしていることは否定しませんが)
しかも、法案の提案説明などを延々と読み上げ議事録に残そうとする無意味なセレモニーがあります。
これを業界用語で「お経読み」といいますが、こんなのは裁判みたいに議長が「陳述しますか」、「はい」といえば、15分の原稿読みが10秒で終わる話。
投票も全部、電子投票にすれば一瞬で終わります。
これらの改革をするだけで、議員の居眠りが大幅に減ると思います。
議員の一番大切な仕事は、くだらない質疑でも、お祭りの参加でもなければ、民意に敏感になって、次々と降りかかる難題に解決策を見出し、合理的な政策実現をしていくことです。
そして、日本の政治の生産性を上げるための根本的に重要な改革すべき点は、行政と議会が無意味に対峙する制度設計です。
トランプ大統領が国会議員から追及されるシーンをまず見ないように、米国では地方議会でも、行政と議会が対峙する形ではありません。
かつてカリフォルニア州のカーメル市の議会を傍聴しましたが、市長は議長役で、議会で議案をプレゼンするのは行政職員ではなく、外部のコンサル。
道路の建設計画について、3案の中からどの案がベストか市長も議員も一緒になって決めていました。
行政と議会が対峙する形をやめて、与党も野党も超越して、建設的な議論をできるようにすることも、日本の政治の生産性を上げるためには欠かせないシステム改善です。
以上のことから、(1)国会議員の同一選挙区からの世襲禁止(2)リーダーの公選(3)議院内閣制の廃止。
政治や行政の世界にときに携わり、フジテレビの記者からカウントすれば33年間、永田町や地方議会を見てきました。
この3つを変えないと、これだけ変化のスピードが激しい時代、日本は世界から取り残されてしまうと危惧しています。
以上は私の個人的な意見ですが、今の総裁選を見ていて思うところは各自あると思いますので、一人一人がもっと意見を発信してもいいのではないでしょうか。


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