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【なぜ、ブックオフ富士吉田店が良いのか】

  • 8 時間前
  • 読了時間: 4分

仕事やプライベートを含め、地方に出ることが多いですが出先での楽しみのひとつは、温泉とブックオフ巡り。

なかでも安くて良書に当たる確率が高いのが、ブックオフ富士吉田店。

なぜ、富士吉田のブックオフが良いのかといえば、周辺は軽井沢に匹敵するくらい政財界、そして文化人が別荘を構える人が多いからか、掘り出しモノの本の質が高いこと。


しかも、定価ならば本はいくらでも買えますが、ここは200円コーナーの品揃えが充実しているのです。

立ち読みで面白そうと思ったけど、よく読んでみたらあまり面白くなかった。

そんなことがあっても、200円ならばダメもとであきらめることができます。

【裁判官がここまで明らかにするか】

さて、そんなブックオフ富士吉田店の200円コーナーで見つけ、読みごたえのあったのがこの本。

裁判官といえば、裁判のプロセスの中で捜査当局が調べたあらゆる情報にアクセスできます。

インカメラ審理といって裁判官だけが資料を確認できる場合すらあります。

そんな高度な機密情報も預かる裁判官が退職しても、守秘義務の観点からなかなか本音を語らないことがほとんどだと思います。

しかし、井垣康弘元家庭裁判所裁判官が書いた『少年裁判官ノオト』(日本評論社)には、元少年Aとされた酒鬼薔薇聖斗事件の当事者との関わりが「裁判官がここまで明らかにしてよいの?」と思えるほど克明に記されています。

また、この本を読むことで、なぜ、あのような残忍な犯行が平然と行われるような少年の人格形成がされるようになったのか納得できました。

それは単なる暴露ではなく、事件の本質を著書として世間に知らせ、このような事件の再発防止と性的に異質な人材の更生のヒントを社会や関係者に与えようとした井垣康弘元家庭裁判所裁判官の狙いがあったのだと思います。

この本が面白く、妻にも勧めたらやはり面白いとなって、妻がインスタで紹介したら井垣康弘元家庭裁判所裁判官をよく知る方から「読んでくれてありがとう」と連絡がありました。

井坂裁判官はその世界では異端児で、正義感の強さから結果として家庭裁判所の裁判官の道を歩まれたそうです。

この本の反響は大きく、法曹界から井垣康弘元家庭裁判所裁判官は批判をされたということでした。

【とんでも議長に対する大岡裁き】

2020年に私が在籍していた筑波大学法科大学院で家族法の授業で、やはり裁判官のOBが教員を務めていました。

ある日、私が授業で「先生は、裁判官として大岡裁きをしたことがありますか?」と尋ねたことがありました。

佐賀県での原発を巡る地方議会の審議で、傍聴者が議場に乱入してその議事妨害をした人の裁判があったそうです。

普通に考えれば議場に乱入して、議事を妨害した人が悪いに決まっています。

しかし、裁判の法廷で証人尋問に立った議会の議長に、その先生(当時裁判官)が「なんで原発に賛成するのか」と尋ねたところ、「国が賛成しているから賛成」という答えが議長から返ってきました。

この議長の発言を聞いて、その裁判官は呆れて「議場の乱入者を無罪とした」と話していました。


「議長が馬鹿だったから、犯人を無罪にしました」、などと裁判官が心証を暴露したら大騒ぎになっていたはずですが、退官した後に胸の内を披歴した珍しいケースだったのではないかと。

地方自治体で首長は市民から直接選ばれるのに対して、議長は当選回数だけでところてん式に選ばれる傾向にあるため、そんなとんでも議長の下での議場での犯行に対して、裁判官が「大岡裁き」をしたことはさもありなんと思いました。

【もっと裁判官が本音と真実を】

今の仕事でも、公証役場の公証人とは関わることが多く(公証人は裁判官や検察官のOBがほとんど)、ケースにより裁判官のOBまたはOGの本音ベースのやりとりをすることがあります。

ちなみに、公証人は準公務員で年収は1500万から3000万円とされています。

一般論として、裁判官は在職中も、また、定年退職後も恵まれた収入に支えられて生涯を全うできる仕事とは思います。

一定の守秘義務もあり、自分が知り得た情報や経験を自分だけの胸に秘めて生涯を終える人が大半だと思います。

しかし、法律事件や事案に関わった経験、そして高度な法律知識を、そのまま墓場に持って行くことなく、井垣康弘元家庭裁判所裁判官のように社会還元する裁判官がもう少しいてもいいように思えます。

 
 
 

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